僕が大手書店員なら、山崎竜成著『知られざる英語の「素顔」-- 入試問題が教えてくれた言語事実 47』(プレイス)と今井亮一・平沢慎也著『スローでディープな英文精読』(研究社)に、「受験勉強に飽き足らない『大人』の皆様へ」というポップをつけて山川…
(1)2020年2月29日 翻訳を読むのは何か損をした気がしてしまうのだ。(柴田元幸著『僕は翻訳についてこう考えています 柴田元幸の意見100』アルク社、p156)本日の言葉:同業者の方には思わず頷いてしまう文章ではないかな。ただ、僕は「将来はどうせ英語…
毎朝仕事前に1時間近く翻訳ストレッチをしていて思うのは、しっかりとした本を使った勉強(今は紙とペンを用いた英文解釈と自己添削、英文の暗記が中心)と「写経」は、毎日ともすれば曲がりそうになる自分を正常な軌道に戻してくれる効果があるということ…
今日仕事中に思いついた生成AIに関する感想をメモ風に。 ①生成AIは、自分は持っていたはずだが使えなかった表現上の引き出しを開けてくれる。引き出しがそもそもないと意味がないけど。 ②翻訳者である僕にとって生成AI(英和では翻訳チェックに使っています…
今朝の次のやり取りは面白かった。 (質問1)Corrad Barazuzutti grimaces with pain as attendants care for his twisted right ankle which occured in the second set. のwhichの先行詞は何か?それはなぜか? (ChatGPT)The antecedent of "which" in th…
生成AI形式の辞書(説明に使われる用語は検証された辞書の範囲内)ができると爆発的に売れるかも。対話型で引けるから。 すでに電子辞書があるんだから、出版社はその気になったらAI辞書つくれますよね。そうなったら今後は辞書は「引くもの」ではなく、「相…
先日の勉強会で『フリーダム・インク』を取り上げていただいた。その席で以下のような質問をいただいた。 「理念の浸透や社員の自由を何よりも重視する上場会社は、上場すれば株主への配慮が優先され、短期的利益第一に走る危険があるのではないだろうか」 …
今朝、4つの生成AIと次のようなやり取りをしました。ご参考まで。 (問い)You didn't have to go to all that trouble. I could have done it. と言う文章でのallの用法は、①「すべて 全員」の意味か、それとも②相手が払った「全ての手間」や「努力」を…
If節って、主節の条件になっていることがほとんど。たとえば次の例。 (例1)If you have enough experience, he will hire you.(あなたに十分な経験があれば、あなたを雇いましょう)(山崎竜成著『しられざる英語の「素顔」』(プレイス)p23「副詞節の…
2022年11月30日にChatGPT-3が公開されてから1年2カ月。僕がその存在を知ったのは2023年2月上旬ぐらい。「ちょっと普通ではない」と感じてビジネス英語教育Q-Leapさん向けの記事にまとめたのが昨年の3月だ。 ビジネスに役立つ経済金融英語 第19回:いまさら聞…
睡眠時無呼吸性症候群にお悩みの方へ: 抱き枕は効くと思います。 理由その1:枕が横にあると自然と抱いて寝るので必ず横向きになる。寝返りを打つ時には枕を動かす必要はあるが、軽いし負担にはなりません。 理由その2:「抱いて寝る」という姿勢はとても…
今日のオンライン英会話で「僕の生徒に経済分野の翻訳者がいるんだが、客数が増えないのでもう廃業しようかと思っている。アドバイスはないか?」と聞かれた。彼の悩める生徒さんは40代女性。数カ月前に脱サラして独立したらしい。「僕のやり方は、10年前な…
In an experiment using ChatHub to have six different AI generators read the same passage and extract what they deemed the 'most important sentence' based on a given prompt, it was observed that they often chose different sentences (althoug…
試みにChatHubを使って六つの生成AIに同じ文章を読ませ、「最も重要な一文をそのまま抜き出せ」というプロンプトを入力すると、すべてが違った文章を選ぶことがある(重なることはもちろん多い)。またChatGPTを使う場合にも、使う時間によって回答が異なる…
過去のブログを見ると2018年だから、故松本道弘さんのセミナーに参加したのは亡くなる6年前だったことになる。会場は大手書店のセミナー会場で、当時松本さんが出版された書籍のプロモーションを兼ねていたのだと思う。 いよいよ80歳になろうとしていた松本…
(1)2023年2月7日 「生きることにこつというものがもしあるとするなら、それはやっぱり全面的には深刻にならないことよね」川上未映子著『すべて真夜中の恋人たち』(講談社)pp137-138*本書の主人公はフリーランスの校閲者。 (2)2019年2月7日 ……サー…
一昨年11月にオンライン英会話を始めて2週間後ぐらからだったかな。オールイングリッシュとは言っても講師がフィリピン人の先生なので、オンライン英会話の前に「耳慣らし」としてNHK英会話も聴き始めたのだが、時間が経つうちに付き合い方も少しずつか会っ…
村井章子さん訳のケインズの伝記『ジョン・メイナード・ケインズ 1883-1946(上)(下)経済学者、思想家、ステーツマン』の原著、John Maynard Keynes 1883-1946: Economist, Philosopher, Statesmanの原文と訳文の手書き写し(「写経」に取り組み始めて1カ…
鳥飼久美子/斎藤兆史『迷える英語好きたちへ』(インターナショナル新書) 楽しく読み終えました。英語学習法には昔から興味があり、特に訳読を中心とする訳読の重要性を強調されている斎藤さんの英語や英語教育に対するお考えには賛同していたこともあり、…
今井亮一、平沢慎也著『スローでディープな英文精読』(研究社) の第I部第3章、”The Myth of the Subjectless Sentence" By Jay Rubinの「日本語には主語がないのではなくて、代名詞が非常に少ないのだ」という主張は勉強になる。 (通常の英語)Cloquet an…
Facebookの去年の今日にこういう書き込みをしていた。 「DeepLは、今のレベルでは翻訳には使えないが、翻訳チェックには役立つという印象」 たった1年前だが、当時は、いわゆる機械翻訳(ここでは英日翻訳を前提にしている)が翻訳に使える日ははるか彼方だ…
勉強会のお仲間(大学教員が3名いらっしゃいます)や翻訳仲間と話していて、皆さんに共通している「誤解」として痛感したこと。 DeepLをはじめとする「機械翻訳ツール」を、原文を入力したら翻訳が出力される、一往復限りの機械翻訳ツールとしてとらえている…
ChatGPTを使った15分トレーニング 自らの恥をさらしますが、以下は僕がほぼ2日に1回やっているトレーニングのプロンプトと回答の例。なお〇〇〇としている部分には固有名詞が入ります。Walk in her shoesはチャリティーキャンペーン (トレーニング1:自由…
『フリーダム・インク――「自由な組織」成功と失敗の本質』本日発売です。 経営者の仕事は、企業理念(自社は何のために存在するのか=パーパス)を明らかにし、それを社員に浸透させていく努力を重ねながら、徹底的に「自由な文化」を作り上げ、それを推進す…
本日の日本経済新聞に注目すべき記事を見つけた。 「権力格差」を壊せるか アサヒビールや宝島社の問う力 編集委員 中村直文 日本社会はこれまで強固な組織が自慢だったが、日本も今は社員一人ひとりの個を重視する時代に入ったという趣旨の記事です。 (以…
昨日妻と観に行きました。平山(役所広司さん)の生活に自分を重ね合わせて、ああ翻訳者をやっていてよかったなあ、とじわりと感じられる映画でした。 目覚ましを着けなくても朝自然に起きてルーティーンを行い、仕事に行く。いつも同じくらいの時間帯にお昼…
本日の日本経済新聞に、 言語の本質問う好機 AI翻訳時代の外国語学習考える5冊立教大学教授 山田優(今を読み解く)という大変興味深い記事が掲載されました。その中で、「西山聖久『理工系のAI英作文術』(化学同人・22年)は、そのタイトル通り、理工系の…
(1)2021年1月9日 翻訳をする外国人は、逐語的に直訳をしようなんて考えは、はじめからこれっぽっちもないんです。文章を丸ごと全体受け取る。そしてそれを、自分の知っている日本語を総動員して表現する。その結果、こういうものができあがった。だから全…
個々の生成AIは間違えることがある。しかしChatHubを使って同時に6つ(個別にはさらに2つの計8つ)の見解(を読んでいくと、個々の誤りを受け取り側が補正できるので、まあ外れはないという印象である。もちろん採用する際には裏を取ります。
(1)2020年12月30日 読書に限らず、大切なものほど事後性が高い。逆に言えば、「役に立つ」ことが事前に容易に分かっていることにはたいした価値はない。すぐに役立つものほどすぐに役立たなくなる。事後性の克服は人生の一大テーマといってよい。では、ど…