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金融翻訳者の日記

自営業者として独立して10数年の翻訳者が綴る日々の活動記録と雑感。

ツヨシ君が安かった頃

今から20年前、1996年に某社ではコマーシャルにMAPを使うことになった(僕は間接的に関与していた)。当時の相場は確か、キムタクが年間1億円、ツヨシ君が4000~5000万だったはず(出演料とは別の年間契約料)。

「あ~こんなに違うんだ」とは思ったが、ハッキリ言って当時ツヨシ君は売れていなかった。もっと言っちゃえば人気グループS◯APのお荷物の印象で、それくらいの差は当然(いや、もっと大きくてもおかしくない)と思っていました。ツヨシ君を使った理由はつよし君のキャラクターではない。人気グループSM◯Pの中で一番安かったからです。

撮影は96年の年末、オンエアされたのは97年のはじめだった(ハッキリ覚えているのは訳がある(後述))

コマーシャルは夏ぱっぱとの共演で、居酒屋で二人が飲みながら証券について語るというなかなか洒落たコマーシャル。オンエアを見ると、ツヨシくんの優しい面の出た、とってもほんわかしたコマーシャルで、夏ぱっぱとの雰囲気もよく出ていた。当時証券会社に対するイメージはまだ相当悪かったから、これはいいぞ~、「ツヨシ君は安い買い物だった」と正直心の底から感動したのを覚えている(そうそう、当時のマネージャーが「いい子だから是非使ってくれ」という話もあったと思う。今考えればそれがIさんだったんだね)。

ただしこのコマーシャルがオンエアされたのはわずか1カ月だった。

コマーシャルが本格的にオンエアされ始めて、いよいよだ~!と思った矢先に当時の社長が総会屋疑獄で逮捕されちゃったんだ。

事件が表沙汰になったのは1997年3月。そこから先は全てパー。コマーシャルも、他にも何パターンか撮っていたのも、ポスターも、関連グッズもすべてパー。

今、ウィキペディア見たらつよし君主演の連ドラ「いい人」が始まったのが97年の4月。「全放送回の平均視聴率20%超え、初回の視聴率24.6%を記録」と書いてある。

そう、僕たちは本当に、ベストのタイミングで彼をゲットしていたんだ。そして自ら転んでつかみそこなった(もっとも転んでいたのは経営トップだったんだけどね)。

SMA◯騒動でツヨシ君がいいコーディネーター役を果たすかも、という記事を見て思い出しました。

 

同じ自叙伝を書くのなら・・・

(1)先月の「私の履歴書」の初日の書き出しと最後の段落

 

(以下引用)

小椋佳」という名で歌創りを始めて、既に半世紀を超す。私の場合、自分が歌いたいと思える言葉を日 記から紡いで歌創りを始めた。その姿勢は基本的に今も変わっていない。依頼内容に応じて器用に歌を作る 職人だという自負心はついぞ持ち合わせていないし、商品を産むプロフェッショナルだという意識は、むしろ持たないように心掛けてきた。ただ好き勝手に想いを歌にしてきた。

 

(中略)

 

14 年 9 月には、古希を期して、いよいよ「けり」を付けようと思い、「生前葬コンサート」と題した葬式を4 日間もやらせていただいた。それでもなお生き延びており、現在もステージやら詩曲創りやらのご要請をいただいている。「余生」という名の新しい人生を生き直せということかと覚悟している昨今である。

 この「私の履歴書」、記憶装置の老化劣化にめげそうでもあるが、遠のいた日々を手繰り寄せよう。風車、逆さに回して」(引用ここまで)

(出所:日本経済新聞私の履歴書」2016年1月1日)

 

(2)今月の「私の履歴書」の初日の書き出しと最後の段落

 

(以下引用)

サッカー選手を辞めた時、私がユース代表から23年間で積み上げた得点数は548(694試合)だと知った。記録として確認できる最初のゴールは1962年4月20日の第4回アジアユース(タイ)でビルマから奪ったもの。最後は日本リーグ選抜と戦った84年8月25日の引退試合(東京・国立競技場)。サッカーの王様ペレ(ブラジル)の1281得点には及ばないが、まあ胸を張っても許される数字だろう。

 

(中略)

 

本田圭佑ACミラン)ら欧州で活動する選手たちが「日本に足りないのは個の力だ」という。であるならば、半世紀も前に個の力を磨くことにまい進した男の話にも何らかの意義はあるかと思い、数々のゴールの記憶とともに書いてみることにした」(引用ここまで)

(出所:日本経済新聞私の履歴書」2016年2月1日)

 

この落差。人間出ちゃうなあとため息。

1冊読むのに12年

今朝『誤訳の構造』を読み終わった、というか1回めの学習が終わった。

 

課題1番の日付を見ると2004年5月20日とある。20番まで取り組んだあといったん挫折したらしく、21番は突然2010年1月27日。その後も2011年で数十題、2013年に数十題取り組んでしばらく挫折し、再び戻ってきたのが2015年12月5日。96番から。本書は188番まであるので本の半分はこの2カ月で終わらせたことになるが、何しろいろいろな本に浮気をし続けて戻ってきてやっと終えたのは感慨深い。だからやっぱりこの本を仕上げるのに12年かかっているだな、と改めて思う。いや、仕上げるではなく「舐める」かな。

 

このシリーズはあと『誤訳の典型』『誤訳の常識』とあるのだが勉強の仕方がわかったので『誤訳の構造』にもう1度取り組むことにする。この2カ月のペースで勉強できれば4カ月で終わるはずなので。本当の意味で「仕上げ」たい。

今日の「折々のことば」から

「すぐ役立つことは、すぐ役立たなくなる」

有名な橋本武さんの言葉でどこかで読んだことがある。以下は鷲田清一さんの解説(引用)。

「役に立つことを軽視するのではない。役に立つということを考えるときには、そもそも『何のために』かを深く考えること」
朝日新聞2016年2月7日「折々のことば」)

パソコン変えたりソフトを入れたりしたせいか、ともすれば「ツール」に頼り過ぎになってしまう我が身を反省する。

 

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物価に関するトリビア

昨日日銀が「マイナス金利」の導入を発表した。

 

マイナス金利とは何か、とかCPIとは何かは横に置き、翻訳の観点から予備知識として知っておくと有効な点を一つ、二つ。金融/経済関連以外の皆さんにとってはトリビアということで・・・。

 

(1) マイナス金利について
マイナス金利は欧州中央銀行(ECB)(2014 年6月)以外にもデンマークスウェーデンでも導入済み。
http://jp.wsj.com/…/SB1206370700937251453540458140673168326…

② 「マイナス金利」を感覚的につかむには、「一般に物を預けるとお金がとられる。そのモノがお金にも当てはまるようになってきた」と考えるとわかりやすいかも(今回は個人の預金には関係ないのですが)。なぜ私たちはお金を払ってでも物を預けてもよいとおもうのか?その時の預け先を考える時の判断基準は何か?同じことをお金について考えなければならないとしたら、自分のお金の置き(預け)先として何を基準にどこを考えるべきか?・・・そんなことを考えておくとよいかも。

 

(2)消費者物価について
① 日銀が目標にしている「2%」の消費者物価上昇率とは総務省の定義している「コアCPI上昇率」(CPI-生鮮食品)のこと(総務省の定義については↓を参照)。これを一応「日本版コアCPI」ということにする。

② 一方、欧米等で「Core CPI」と呼ばれているのは、概ね総務省の言う「コアコアCPI」(CPI-(食料(酒類を除く)とエネルギー))のことです。
http://www.stat.go.jp/data/cpi/4-1.htm

③ したがって、「『コアコアCPI』は『コアCPI』からエネルギーを除いた指数ではない点に注意してください」と『金融英語の基礎と応用』の翻訳メモで書いた(p19)。

④ ところが昨年11月から日銀は「日本版コアCPI」からエネルギー価格を除いた「日銀版コアコアCPI」(CPI-(生鮮食品とエネルギー))の発表を始めた。これは『金融英語の基礎と応用』の原稿では(タイミング的に)追いきれていません(原稿締め切りはギリギリ10月だった)。
http://jp.reuters.com/article/boj-core-idJPKCN0T90BG20151120

⑤ 以上をまとめると、今の日本には4つのCPIがあることになる。
(a) 総合CPI
(b) 日本版コアCPI(日銀の物価目標であり、総務省の定義とも合っている)
(c) 総務省版「コアコアCPI」=欧米のコアCPIとほぼおなじ定義
(d) 日銀版「コアコアCPI」

⑥ この辺の言葉づかいは結構面倒で、英語のリポートなどを読んでいても、アナリストがこんがらがっちゃっていることがあるので(年度もそうですけど)翻訳者は日本に関してCore CPIという表現をみかけたら「どれ?」と確認する必要があります。

⑦ とまあ、「コア・・・」と書き始めるといろいろ面倒なことが多いと感じたのか、昨日の日経新聞(夕刊)も今朝の朝日新聞も「コアCPI」という言葉を一切使わず、「生鮮食品を除く消費者物価指数(CPI)上昇率の見通しを従来の1.4%から0.8%に下方修正」という書き方をしていました。

⑧そこで実務翻訳者としては今後日本の金融政策に関するレポートが英語で出た場合にCore CPIとあったらその内容を確認した上で、上の日経のような表現を目指すことにしよう(顧客と相談してですけどね)。

⑨英語の原文はECBのマイナス金利から取り、訳文を直して上のような「翻訳メモ」を書く(書き直す)・・・という感じで改訂が進んでいくといいのになあ

 

・・・昨晩から今朝の新聞を読みながら、日本経済はどうなるだろう?ではなくテメエの本の先行きを考えてしまった私です。

M校長先生の思い出

今から40年ほど前のお話。

埼玉県立U高校の京都奈良修学旅行最終日の旅館はさながら宴会場だった。

初日、2日目は大人しかったと思うが、日が経つにつれて遠慮がなくなり、最終日になると缶ビールを1、2杯は開けて乾杯ぐらいはどの部屋でも普通に行われていた。先生方も一応部屋に点検に来るのだが真っ赤な顔で、「こら~早く寝ろ!」とか何とか言いながら、部屋に充満していたアルコールの臭いを咎め立することもなかったと思う。要するに見てみぬ振りだった。とはいえさすがにタバコの煙は立たなかったし、アル中で救急車なんて騒ぎにはならなかった。その辺がいわゆる進学校の生徒で、どこかで歯止めが効いていたのですね。

問題が発覚したのは修学旅行後である。

同じ旅館に泊まっていた他の学校の教師からクレームが出たとの話が流れた。噂では教育委員会にまでは伝わったとの事だった。つまり表沙汰になった。

しかし、「修学旅行中の高校生が旅館で宴会」・・・は記事にならなかった。

当時はその程度は「まあまあ・・・・」という雰囲気があったのかもしれないし、県内に張り巡らされた強力なOB人脈を駆使してもみ消しがあったのかもしれない。

いずれにせよ何らかの処分があることを大半の生徒が覚悟した。

で、修学旅行から2、3日たった頃だったかな。職員会議も長引いていただろうか。何しろ朝からただならぬ雰囲気の後で、確か校長先生自らだったと思う。2年生の各教室に次のような放送が流れた。

「先日の修学旅行で自分はアルコールを飲んだと自覚している学生は今すぐ体育館に集まってください」

クラスの半分以上が体育館に向かったのではないだろうか。

ちなみに僕はお酒にも女性にも強烈に奥手だったのと、好奇心はあったものの自ら手をだすほどの勇気がなかったのと、たまたま毎晩トランプ(ナポレオン)に夢中になっていたこともあって酒を飲まなかった。「お前も飲めよ~」と言われたらどうなっていたかわからない。僕が飲まなかったのは、気が弱かったのと運が良かっただけです。

で2時間ぐらいたったかな。クラスメートが皆戻ってきたのだが、多くはうちひしがてた表情で、泣いている奴もいたと思う。「あ~大変だったんだ」と半ば同情、なかば無責任に「どうだった?」と話を聞いた校長先生の講話は、僕たちの予想と想像を根本から覆すものだった。

M校長先生は「そういう行動を取らせてしまった責任は私にある」と生徒たちに謝ったというのだ。そして「諸君は自らこの体育館に来たことで自らの行動の責任を取った。一方、修学旅行中に諸君にあのような行動を取らせた責任は校長である私にあるのだから、諸君を処分しない」

U第一女子高から転任されて1年半。生徒とともに掃除をし、体育の授業に参加し、年に1度の競歩マラソン(50キロ)に参加してすべての関門をクリアして完走を果たした。授業をサボって一女の体育祭にのぞきにいった学生がM校長に見つかり「ヤバイ!」と思ったら「やあ、今日は天気がよくてよかったねえ。ご苦労さん」とおっしゃるような人だった(←これは僕ではありません)。集会や学校行事などで「校長訓話」の時間になると拍手が起きるのは前の校長と変わらなかったが、常に物静かな話しぶりで全員が聞き入ってしまう。話し終わると拍手はいつもどおりにせよ、それは揶揄ではなく賞賛の拍手だったと思う。退任された後は新設の私立高校の校長をされていたと聞く。理想の教育者とは?なんて答えはわからないけれども、M先生がその一人であったことは間違いない。

昨年9月の卒業後35年会での近況報告では「M校長先生お元気です」と聞いていた。

そのM先生、前田耕平先生がお亡くなりになったとのメールが今朝来た。

心から残念です。合掌。

『金融英語の基礎と応用 すぐに役立つ表現・文例1300』発売直後の反応

本書は翻訳書ではなく、金融(しかもマーケット寄り)の人々を対象にした「翻訳に関する本」である。世の中に『金融英語』『経済英語』に関する本はたくさんあるが、本書は英和翻訳(英語→日本語)の翻訳者を対象にした本でありながら、目次も見出しも「訳語」から出発している点が類書にない新機軸だ。

想定読者を絞った(金融翻訳者の初~中級者)書籍のため、細く長く売れればと思っているが、発売の翌日からtwitterfacebookで金融に限らず、様々な実務翻訳者や通訳者、さらには経営者の皆さんからコメントやメッセージが寄せられている。

 

「それにしても情報量が多い」(通訳者)

「金融の仕事をする身として感動して震えてる……。すごいですよ。道は遠いけど全部写経する」(経済部門翻訳者)

「職業柄この分野の本はときどきチェックします。ここまで根気のはいったお仕事、なかなかみたことないです。・・・どこからでも読めますし、検索もしやすい、金融にたずさわる人は机に一冊欲しい本だと思います。・・・」(金融翻訳者)

「我々の業界(知財)も、金融・経済・財務・経営と無縁ではいられなくなっていることを実感する。・・・金融の言葉は、日本語でさえわからないことがある。日本語の勉強になる」(大手特許事務所の弁理士

「私が金融関係の翻訳をすることはまずないですが、・・・参考になる表現がたくさんあり、目を通して手元に置きたいと思いました」(特許翻訳者)

「丹念な蓄積と相当の準備なくしては著しえない本」(金融機関経営者)

「当社国際スタッフ部門向けに10冊購入した」(事業会社経営者)

「お世辞抜きに、これはいい」(編集者)

さらに、大変幸運なことに、販売直後に英語の超人気ブログにご注目いただき、3日連続で取り上げて頂くという光栄に浴した。
GetUpEnglish
http://blog.goo.ne.jp/getupenglish/d/20151128

思わぬ意外な反応に驚き、また喜んでいる。

 

『金融英語の基礎と応用 すぐに役立つ表現・文例1300』 まえがき

はじめに 

 本書は金融関連のレポートで見かける典型的な表現や用語を、言い回しや重要用語ごとにまとめた例文集です。一つの例文は英語と日本語の対訳になっています。想定している読者層は、金融翻訳の初級~中級者で、主にファンドの運用報告書や投資レポート、財務諸表、決算書類、経済論文、市場分析等の英和翻訳を手掛けている皆さんです。

 収録されている用語や例文は、大きく分けて、①英文を見て辞書で訳語を調べ、いざ訳文を書くときに知っておくと便利な言い回し、②仕事ではよく見かけるにもかかわらず経済、金融、会計の基本書では意外と触れられていない用語、③実務翻訳の観点から説明しておいた方が良いと思われる表現、の3種類です。

 大見出し(青い大きな字)は訳語である日本語を出発点としています。大見出しの中に【 】で囲った小見出しをつけ、おおむね類似した訳語や概念に相当する英文と例文を並べました。同じ訳語でも使われ方が違う英語もありますし、逆に同じ英語に対して異なる訳語が当てられるものもあります。大見出しの例文と翻訳メモを読んでいただくと、その語についての基本概念がある程度つかめるものもあります。例えば、「上がる」「インフレ」という訳語を出発点に表現や使い方、概念を比較する、あるいは翻訳メモを順に読み進んでいただいても参考になると思います。

 語句は、私の実務翻訳者としての過去13年の経験に基づいて選びました。本書の企画が立ち上がってからほぼ3年間、「この言い回し(訳語)はよく使いそうだ」「この用語は背景知識への理解をついおろそかにしてしまう」という表現を一つ一つ取捨選択し、それを含む例文を仕事の山の中から探し出しては捨て、探し出しては捨てを繰り返してきました。例文もあまりに短文では単なる英語基本表現集になってしまうので、短いながらも一つのメッセージになるか、取り上げている用語の理解の一助になりそうなものを選択するよう心がけてきたつもりです。

 私はマクロ経済レポートや財務諸表の英和の実務翻訳者ですので、大半の英語は英語のネイティブ・スピーカーによって書かれ、私が翻訳の委託を受けた英語です。ただし、お客様(発注者)に対する守秘義務により、よほど一般的な表現でない限り英文をそのまま使うわけにはいかないため、必要に応じて文章を短くし、固有名詞や数字、表現等を修正した上で、プロの和英翻訳者として25年の経験を持つナロン マイケル(Michael Narron)さんにすべての英文をチェックしていただきました。一方、大半の日本語は私自身が訳したもの(一部原書と訳書の訳語が含まれています)を、金融実務翻訳者として18年の経験を持つ飯村育子さんに校正をしていただきました(もちろん、最終的な文章責任は私にあります)。その例文集に実務翻訳の観点から重要だと思われる考え方や背景知識を「翻訳メモ」としてつけました。

 以上のように、本書は金融翻訳に関する典型的な表現や背景知識、言い換えれば金融翻訳者の皆さんが翻訳業務の中でよく出会いそうな、そしてよく使いそうな「つなぎの知識」を身につけることができる「辞書の後、専門書の手前の書」だと捉えていただければと思います。原文はネイティブの英語といって差し支えなく、日本語は私の訳した日本語です。本書は英和翻訳を念頭に置いて編集していますが、英語にはアメリカ人の校正も入っていますので、和英翻訳のための例文集としての機能も果たせると思います。また索引を充実させることも心がけました。

 なお、例文の一部には以下の文章が収録されています。これらは様々なレポートで頻繁に引用されており、金融翻訳者であればぜひとも原典に触れておいてほしいと判断したものです。日本語訳はすべて私が行いました。

グリーンスパン米連邦準備理事会(FRB)元議長の「根拠なき熱狂」演説(1996年12月5日 抜粋)
グリーンスパンFRB元議長による議会証言における「グリーンスパンの謎」発言(2005年2月16日 抜粋)
③ ドラギ欧州中央銀行(ECB)の「ユーロ防衛にあらゆる措置を講じる」演説(2012年7月26日 抜粋)
バーナンキFRB前議長の議会証言後に、いわゆる「テーパー癇癪」といわれるようになった質疑応答の一節(2013年5月22日)
量的緩和第3弾の終了を決定した時の米連邦公開市場委員会FOMC)声明(2014年10月29日)
⑥ ⑤の半年後、市場で利上げ観測を巡る思惑が高まっていたときのFOMC声明(2015年6月18日)
 なお、上記の英語原文と和訳のうち③はp108に、それ以外については、以下のWebページに、短文(例文)ではなく一続きの文章として掲載しております。

(中略)

 本書の執筆は多くの人々の協力がなければなし得ませんでした。まず、これまで実務翻訳者としての私を支えていただいた多くのお客様。例文は、私がこれまで翻訳を請け負った英文が下敷きとなっています。そして企画の立ち上がりからコンセプトが固まるまでの2年半にわたり実に根気よくお待ちいただき、その後8ヶ月をかけて筆者初めての著書をここまでの体裁と中身にまで高めていただいた講談社サイエンティフィクの三浦洋一郎さん、10年近く和英翻訳で私とタッグを組み、今回もすべての英文に目を通し不自然な英語の抽出と修正に尽力いただいたナロンさん、私の訳文の不備を丁寧に添削していただいた飯村さん、そもそも本書出版のきっかけを与えていただいた特許翻訳者の時國滋夫さんに心からお礼を申し上げます。
 
2015年10月

鈴木立哉

http://www.amazon.co.jp/dp/4061556266/